御曹司の溺愛エスコート
「どうしたんだ?」

「あの、蒼真兄さまのスケジュールが聞きたくて……」

「スケジュール?」


美しい形の眉を片方だけが上げる。


「うん、お買い物とか、お料理作る時間とか……」


あまり話さない方が良いかもとその時思った。
話しすぎておかしいと思われたくない。


「あぁ。そうだな。明日、真琴から渡すように言っておく」

「はい」


桜は頷くと部屋を出ようとした。


「桜」


名前を呼ばれて振り向く。


「こっちへおいで」


手招きされて催眠術にかかったかのように桜の足が動く。


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