御曹司の溺愛エスコート
蒼真は玄関を入ると、そのまま真っ直ぐ書斎へ行った。
机の上に花束を置き、携帯電話を取り出す。
琴美はすぐ出た。


「何の用だ?」

『お兄様、妹に対してその言葉は冷たいんじゃない?』

「忙しいんだ。用件は?」


琴美の言葉を無視して聞く。


『1週間経ったわ。まだ帰ってこないの?』


親友のメリッサに兄の事を話している琴美は早く2人を合わせたかった。
最初は乗り気でなかったメリッサは蒼真の写真を見ると気に入ったようだ。
早く会いたいと琴美をせかす。


「無理だな、立て込んでいるんだ」

『もうすぐクリスマスパーティーよ?』

「今年は出られないかもしれない」


もう出ないと決めているが、断言するとしつこく聞かれて面倒なのであいまいにする。


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