御曹司の溺愛エスコート
『忙しくても家族の大事な行事よ? お兄様』


クリスマスに桜を置いていけるわけない。


「切るぞ」

『待って!』


琴美の言葉の途中で携帯電話を切り電源も落とした。


私服に着替え花束を持ちリビング行くと桜は夕食を作り始めていた。


「桜」


冷蔵庫から野菜を取り出している桜の後ろから声をかける。


「お前に」


立ち上がった桜は大きな花束を受け取る。


「きれい。ありがとう。蒼真兄さま」


きれいな花束を見て桜の顔がほころぶ。
花束を洗面所に行き、水につけると桜はすぐに戻ってきた。



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