御曹司の溺愛エスコート
「今日は何をしていたんだい?」


食事をしながら蒼真は聞いた。


シカゴにいた頃より桜の食べる量が増えたのはよかった。


「え……っと、TV見たり本読んだり……」


まさかばれてないよね?


美容室から出た所を見られてしまったかと考える。
桜の箸が止まる。


「退屈はしていないか?」

「うん 大丈夫」


目があえば嘘が見破られてしまう。
桜は再び箸を持ちなおし、煮物に手を伸ばした。


「年明けにロスに行く事になった。桜も一緒だよ」

「私も……?」

「もちろん。2週間もここに残してはいけない」


2週間と聞いてアルバイトが頭をよぎる。


楽しく働かせてもらっているので働けなくなる事が悲しい。
帰ってきてからも雇ってくれるのだろうか。
とにかく和樹さんに話をしてみよう。


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