御曹司の溺愛エスコート
「きっとロスは楽しいよ。観光でもすればいい」

「うん」


アルバイトも楽しいが、やっぱり蒼真とロスに行きたいと思う。


先にお風呂に入った蒼真は紺色のローブを着て書斎へ行った。


お仕事があるんだ。


桜は蒼真の後姿を見てからバスルームに向かった。


お風呂から上がり、パジャマを着て寝室に戻ると蒼真がベッドにいた。
まだ寝室にいないものと思っていたから驚いた。
分厚い医学書を読んでいる。


桜が姿を見せると本を台に置いた。


「桜、おいで」


蒼真に呼ばれて桜は夢遊病者のようにベッドに近づき蒼真の腕の中にいた。
白いシーツの上に横たえ、縫い付けるように唇を重ねる。


「ん……っ……」


唇から耳たぶに移動し甘噛みし、口に含まれちゅと音をたてて吸い上げられる。


「あっ……」

「耳、感じる?」

「ぃや……」


執拗に耳の近くを舌で探求されて桜は蒼真の身体にしがみついていた。


******


蒼真の腕に抱かれた桜はかすかな微笑をもらした。
自分が安心していられる所。
安心感の中を漂いそのまま眠りに落ちた。


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