御曹司の溺愛エスコート
桜は真琴から離れると、大丈夫だと思われる所で立ち止まった。
暴れる心臓を落ち着かせる。


ごめんなさい。真琴さん……蒼真兄さまにはもう二度と会いたくないの……。幸せそうな蒼真兄さまに会いたくない……笑ってくれない蒼真兄さまを見たくない。




桜は成田空港の近くのホテルに部屋を取った。小さな部屋にシングルベッドが入っただけの部屋。


靴を脱いでベッドの上に座る。


やっと落ち着ける場所にいるのに、考える事は蒼真のことばかりだ。


「早く明日になればいい……」


そうしたらシカゴへ帰れる。
明日の夜は……蒼真兄さまの婚約披露パーティー……。




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