御曹司の溺愛エスコート
拭いている手は何かを持っていて、左手には大きなバッグを持っている。
まるで親にはぐれた子供のようだな。
うつむいているせいで自分が見ている事にも気がつかない。


桜は出発ゲートに向かわずに出口を目指していた。


蒼真兄さまに会わなきゃ。


そう心の中で思った時、目の前にぴかぴかの男物の靴が立ちふさがった。


桜はその人の邪魔になると思い、うつむきながら横にずれた。
しかしその人も同じく横にずれたのだ。
またしても自分の前にいる。


涙を見られたくなくて顔を上げられない。


「す、すみません……」


もう一度桜は横にずれようとした。



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