ライン
「羽田さん…」
「ん…?」
「ひとつだけ…聞いてもいいですか…?」
「なに?」
「彼女のどこが好きなんですか?」
「どこって…全部…かな…どうして?」
「なんでもないです。じゃぁ…」
アタシは端っから負けていたのに
ずっと気付かないままで居た。
空の上まで突き抜けた壁に向かって、届きもしないボールを何度も投げて…
くっきりと引かれたライン
定義なんてないと信じて疑わなかった
簡単に飛び越えてしまえるとさえ思った
アタシが踏み込んだ線
いや、踏み込むのも許されなかった線
絶対領域が2人には存在していた。