見せかけのヤンキー彼氏君
「俺の女に手を出すなっ!」


桐生君はタイミングをはかったように私の前に現れた。


「男連れ…チッ」


男は舌打ちして人混みの中に消えた。


「大丈夫か?茉莉乃」


「え、あ…うん…大丈夫…」



桐生君はちゃんと私の名前を呼んでくれた。


「間違って逆の出口に出ちまって…遅れた…わりぃ」


「いいよ…別に」



私を助けてくれたし…遅刻は許してあげた。





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