君星




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梢ちゃんの力説に


勢い負かされたものの、


私は、とっても焦っていた。



「あのっ!!聞きたいことが...」



と、美緒さんに言ったものの



その先が言い出せない。



「ん?柚子ちゃん、どうしたの?」



不思議そうに、子首をかしげて。



女の私まで、クラっとさせてしまうんだから



一ノ瀬奏とどうにかないわけがない。



妄想力が豊かすぎる私の脳は



嫌な方向に考え出したら



止まらない。





なかなか、言葉を発しない私に



美緒さんがふと、気づいたのか



控えめに、でも確かにはっきりと




「もしかして、奏の事?」




私に言った。
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