君星



「いっ、行かないよ…行かないし…」



落ちかけた体制を治しながら
再び椅子に座り直す。



「失恋には、新しい恋っていうじゃん♪」



いやいやいや。
まだ引きずってるんですけど…



「とにかく!私はいかないからねっ」



私の返事にえー、と不服そうな梢ちゃん。




でも、やっぱり気持ちの整理もつけたいし…




そんなブルーオーラの私に気づいたのか



「気にしないの!きっと先輩は運命の人じゃなかったんだって!!」



梢ちゃんが励ましてくれる。



「ありがと」



そう私が言ったのが先だったか



梢ちゃんのケータイの着信音が先だったか



ピリリリリリリリリリリリ



鳴り響いた。




「もしもし~?」



この話し方からして、多分梢ちゃんの彼氏だろう。
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