たった一人の君へ〜二人の運命〜
夏休み中も、ちょくちょくは会えていたけど、いつもこういう感じだった





あたしはやっぱり簡単に甘えたりできなくて、京介がワンコみたいに甘えてきた

けど、それはそれで悪くない





素直になれない分、彼が素直でいてくれたから、こんな二人もうまくいっていた





「加奈は進路決まった?」

頭を肩に乗せたまま心配そうに京介が聞いた





最近の二人の会話は大概進路のことだった





「あたしは進学はしないよ」


やっぱり親のことが引っかかる





「親のことがなかったら進学するつもりだったんでしょ?」




「それは…そうだけど」


でも、その理由もなんとなくだし






< 146 / 362 >

この作品をシェア

pagetop