天然な女の仔×クールで無口な男の仔の物語 〜前編〜
「学園の生徒だからって関係ない。私は医者だ。誰だろうと怪我を負っているものは全力で助ける。だから、学園の生徒たちのことは任せてくれ。」
稜亮さんは、最後にニコッと笑いながら言った。
やっぱり私は、間違っていた。
稜亮さんは、医者なんだ。
どんな人でも助ける。
それが医者なんだ。
頼む必要なんてなかったんだ。
稜亮さんは、初めから助けるつもりだったんだ。
お金がない人でも犯罪を犯した人でも・・・誰でも。
「ありがとうございます。学園の生徒をよろしくお願いします。」
私は、立ち上がり頭を下げて言った。
「密歌ちゃん、任せなさい。稜ちゃんがちゃんと大会までには治させてみせるわ。」
さっきまでずっと黙ってた有紗さんが言った。
なんで大会のこと知ってるのかな?
「なぜ、大会のことを知ってるんですか?」
私は、疑問に思ってたことを聞いてみた。
「ほら、天の宮学園って文武両道でしょ。各部の大会結果はすべてトップクラスだし全国大会の常連客だって患者さんが前に教えてくれたの。龍ちゃんは、教えてくれないからさ。」
そっか。
天の宮学園は、勉学だけでなく部活にも力を入れた学校だった。
すっかり忘れてたよ。
でも、やっぱり龍夜は教えてなかったか。
まぁ、龍夜らしいって言えば龍夜らしいんだけどね。
でもさ、少しは有紗さんに学園のこと話そうよ。
有紗さんが可哀想だよ。
「そうだったんですか。やっぱり龍夜は教えてませんでしたか。」