天然な女の仔×クールで無口な男の仔の物語 〜前編〜
「そーなのよ密歌ちゃん。龍ちゃん、学校のことなんも話してくれないの。ひどいでしょ~?」
「そうなのか?龍夜ちゃんと学校のこと話してくれるけど・・・」
もしかして龍夜さん・・・
龍夜さん、それはちょっとね~
「えっっ!!稜ちゃんには教えてくれるの!?なんで私には教えてくれないの??ねぇ、稜ちゃんなんで??」
「いや~俺に言われても・・・。俺は龍夜じゃないからな・・・。」
稜亮さんも少々苦笑い。
まぁ、そりゃそーだよね。
有紗さんの顔が間近にあるんだから。
「じゃあ私、直接龍ちゃんに聞いてくる!!」
「は?えっっちょい有紗、仕事どーすんだよ。」
稜亮さんは慌てながら今にも出て行きそうな有紗さんを呼びとめた。
「仕事は後よ!!今は、龍ちゃんに聞く方が先!!」
「おい有紗!!」
――――――――バタン
「「「・・・」」」
行ってしまった・・・
有紗さんは、自分のコートと鞄を持って出て行った。
相変わらずだな、有紗さんは。
「なんか、ごめんな。」
沈黙を最初に破ったのは稜亮さんだった。
「いえ、全然気にしてませんよ。」
私は、ほんとに気にしていなかったからそのままのことを言った。
「有紗は、昔からそーでね。まぁ、あれが有紗のいいところでもあるんだがね。」
稜亮さんは、曖昧な笑顔で言った。