天然な女の仔×クールで無口な男の仔の物語 〜前編〜

「………が起きてるの。」

雅さんが一通り話してくれた。

あいつが言ったように卑怯なやつだ。

どうやら密歌たちは、結李架ちゃんたちが人質に捕られて手出しが出来ないようだ。

「でも、そんな中よく抜け出せたね。」

兄貴が言った。

「密歌が言ってた訳じゃないからわかんないけど、多分密歌のシナリオだと思う。」

密歌のシナリオ……

ってことは……

「あいつ怪我してるかも……」

密歌のシナリオはすごいけど自分を犠牲にするのが多い。

「このままでは危険だな。みんなで助けにいこう。」

「うん!!女の子に手出すなんて……ぶっ潰す。」

「うざっ」

「ムカつく」

「「ぶっ潰す!!」」

兄貴、姉貴、翔唯斗、弥凪斗が言った。

フッ。

姉貴は女の子に手を出させられることだけは許せないらしい。

さっきみたいにいつもの声より数倍低くした声になる。

大抵のやつは怖がるが俺たちは聞き慣れてるから怖くないが。

それにしても翔唯斗と弥凪斗がいつになく怒ってる。

それも当たり前。

あいつらは、多分結李架ちゃんたちのことを好きなんだと思う。

見てればわかる。

結李架ちゃんたちの傍には必ずあいつらがいるし、今みたいに結李架ちゃんたちが危険な目になると口数が減りいつもの数倍オーラが怖くなる。

さて、俺も平常心を保つのはやっとだからさっさとやるか。

そこにいる誰もが怒りに満ち溢れていた……


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