天然な女の仔×クールで無口な男の仔の物語 〜前編〜

転入生


【密歌side】

あれから私たちは安静のため自分の家に帰った。

結李架たちは無事、目を覚まして翔李斗くんたちもホッとしていた。

有紗さんには週一回、病院に診察に来るように言われた。

病院は行きたくないけど、秘密を守ってくれるため行かないわけにはいかない。

そして、帰る前に愛梨がこっそり手掛かりになるかもしれない証拠を渡してくれた。

安静に寝てなさいとママに言われたが私は部屋でこっそり調べものをしていた。

あいつらの情報を早く見つけないと今度はみんなが大怪我を負ってしまうかもしれない。

それだけは防がないと…

私は黙々と調べた。

そのまま夜は更けていった…


「密歌…」

「あ、パパ。どうしたの?」

玄関で学校に行く準備をしていたらパパに呼ばれた。

「あまり無茶をするなよ…俺も千歳も心配だ…調査のことは俺たちに任せてお前は早くその怪我を治せ…」

「パパ…大丈夫だよ!こんな怪我痛くもなんともないんだから!」

「密歌…「密歌ー!蒼たち来たぞー!」」

「今行くー!じゃ、パパ行ってくるね!」

「あぁ。気を付けて行ってこい。」

「はぁーい!」

私は真兄のとこまで走った。


「篤夜。」

「はい。」

「密歌はどうしてあんなに無茶するんだろうな…」

「宗介さま?」

「いや、なんでもない…」

「宗介さま、多分それは宗介さまと千歳さまに似ているんだと思います。」

「俺と千歳に似ている?」

「はい。宗介さまと千歳さまは昔から無茶をする方たちでした。真さまたちにはそれがあまり遺伝されてませんでしたが密歌さまには二人の無茶するのが遺伝されてあなた方よりも無茶するのではないでしょうか。」

「遺伝か…」

「はい。」

「じゃあ、密歌が少しでも無茶しないように俺らがサポートしなきゃな。」

「そうですね。」

二人は密歌の後ろ姿をみながらそんなことを話していた。



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