さよなら、ブラック




レジを済ませて店の外に出ると、男は「ごちそうさまでした」と言って合掌した。




「いえ」




わたしは首を横に振りながら、財布をバッグに入れた。




「じゃ、またね」男は軽く手を上げ、あっさりとその場を去ろうとするので、




「あの!」




わたしは思わず呼びとめてしまった。



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