歌姫はギタリストに恋をした゚*。㊦
遠くの方から私を呼ぶ声。

振り返ると、数名の記者やカメラを持った人が走って近づいて来る。






「sAra.ちゃん早く!」

「うんっ」


マッスーに手を引かれながら、急いで移動する車まで走る私。





「sAra.さん!今朝送られたFAXのことで聞きたいんですが!」

「慶さんはsAra.さんの不注意で怪我をされたというのは本当ですか!?」

「今まで隠してきた理由はなんですか!?」



後ろから聞こえる、胸に突き刺さる質問。


眩しいカメラのフラッシュ。






バタンっっ


私は半ば無理やり車に押し込められた状態で、車に乗り込んだ。





「早く車出して!」

「無理っす!!前からもがっちりやられました!!」



カーテンを閉めている状態でも、私が乗ってる車の周りにどれだけの記者がいるかは大体わかる…

私の隣で、メタボのマッスーが汗をびっしょりかきながら他のスタッフと話している。



私はどうすることもできないまま…ただ端っこに座り、慶とお揃いのペアリングを握りしめていた…
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