幸せの明日
「恵…?」
「少しだけ…後少しだけこのままで居させて…」
アタシはまぶたをきつく閉じ、涼介の胸に顔を埋めた。
「恵…」
涼介は静かに頷きアタシを優しく抱き締めてくれた。

「寒いな…」
涼介がアタシの背中をさすりながら、声をかけた。 
「ん…。だけど、涼介が傍に居てくれるから大丈夫…」

アタシは涼介のワイシャツを握り、小さく呟いた。

―ギュ―
その時涼介がさらにアタシを強く抱き締めた。
「涼…介?」
ドキドキする…。
さっきから心臓の音がうるさく鳴っていた。
「俺…やべぇ…。」

涼介はそう言って真っ赤になっていた。

付き合ってもいないのに、抱き合うなんて不甲斐ないかもしれない。
けど…アタシはそれだけで嬉しかったんだ。
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