幸せの明日
アタシは椅子に座り明日香を見つめていた。
痛々しい怪我…。
明日香の頬を優しく撫でる。
「ん………めぐ…」
その時、明日香がうっすらと目を開けてアタシの名前を呟いた。
「明日香…!?」
「恵…」
明日香はゆっくりと身体を起こした。
「明日香…ごめん…!!アタシ、自分の事ばっかりで明日香の事なんて全然見てなかった…ホントにごめんね…」
アタシはうつむいて深く、頭を下げた。

「恵のせいじゃない…アタシが恵の足を引っ張っただけだから。気にしないで…?こんな怪我、慣れてるの♪♪」
明日香はそう言って笑った。
明日香の強さには、いつも驚かされる。
ホントは、辛いのにね…。
アタシは明日香を優しく抱き締めた。
「ごめん…ごめんね…」
「め…ぐ…」
明日香は静かに涙を流した。
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