幸せの明日
    * * *

「涼…介…」
「!!…恵、恵!?」
涼介の声が聞こえる。
アタシはうっすらと目を開けた。

そこには、愛しい涼介の姿があった。
―ギュッ―
「涼介…?」
涼介がアタシを抱き寄せた。
「守ってやれなくて…ホントごめんな…」
どうして知ってるの…?
…そっか。
アタシの格好見れば誰でも分かるよね。
アタシの格好といえば、服は、はだけていて肌があらわになっていた。

涼介の温かさを改めて感じ、安心感でいっぱいになった。
「グス…涼介ぇ…」
「恵…怖かったろ…ごめんな…」
涼介は何度も何度もアタシに謝った。
涼介、違うんだよ…。
涼介のせいじゃないんだよ…。

「アタシ…アタシ…」
「もう大丈夫だから…俺がちゃんと居るから…」

いつも涼介の言葉、一つ一つがアタシを強くしてくれていた。
涼介……
お願いだから…
アタシから離れないで…。
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