幸せの明日
「ね、ねぇ美香梨…?聞いてるの?なんで何も言ってくれないの?」
アタシは美香梨の肩を揺さ振った。

「ねぇ起きて…!まだ美香梨シュークリーム食べてないよ?アタシまだまだ話したい事いっぱいあるんだよ?…ねぇっ何か言ってよ…!!」

美香梨からの返事は無く、医者や看護師、美香梨の両親は黙ってアタシを見つめていた。

「美香梨…アンタがアタシを変えてくれたの…アタシは美香梨が居なきゃダメなのぉ……お願いだから目を覚まして…。お願いだからまた『恵ちゃん』っていっぱい呼んでよ…アタシは、美香梨が大好きなの…!もっともっと、一緒にいたいよぉ……」


アタシは泣きじゃくりながらも、美香梨の手を握った。
「!!!」
美香梨の手はすごく冷たくて…あきらかに『死』を物語っていた。

「いや…いやぁ…!!美香梨ぃ!!!逝かないで!アタシを一人にしないで!!美香梨ぃー!!!」

アタシは狂った様に叫んだ。
いくら呼んだって美香梨は返事をしてくれなかった。
「いやぁぁぁ!!!!美香梨を連れて行かないでぇ!!!!」

「…恵ちゃんっ!!」
美香梨のお母さんがアタシを抱き締めた。
強く、強く力いっぱい抱き締めてくれた。
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