幸せの明日
*第3章* 失う怖さ

恵と明日香

♪〜〜♪
祐樹に殴られた時の衝撃で、ポケットから落ちた携帯が鳴り響いた。

●着信 明日香●

明日香からの電話だった。気付けば、『着信18件』全部明日香からの着信だった。

心配…してくれてたんだね……。
アタシはよろめきながらも、携帯を手に取った。

―ガチャッ―
『もっ、もしもし!!?恵!?やっと出てくれたぁ〜ずっと電話に出ないから心配だったんだよ〜!』

「ん…ごめん…ね」
アタシは明日香の声を聞いた瞬間、安心した。

「恵…?どしたの…?ていうか、今何処!?」

「川原…橋のとこの…」
「わかった!ちょっと待っててね?すぐ来るから。」

明日香はそう言うと電話を切った。
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