幸せの明日
「「ただいま。」」
アタシとお母さんは声を揃えて家の中へと入った。

―タッタッタッタ―
リビングの方からこっちに向かって走ってくる音が聞こえた。

「恵!!」
「…お父さん」
お父さんは心配そうな表情を浮かべてアタシに近寄ってきた。
「恵…大丈夫か?お父さん、何も気付いてやれなくてごめんな…こんなんじゃ親失格だよな…本当にすまない…」

お父さんはそう言うと深々と頭を下げた。

「お父さんの…」
「…え?」


「お父さんのせいじゃない…アタシは大丈夫だから。もう頭上げて?」

アタシはお父さんの顔を覗き込んだ。
「恵…!!」
お父さんはアタシの頭を優しく撫でた。



本当に、この人達がアタシのお父さんとお母さんでよかった…。
この時、心の底からそう思った。
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