嘘つきな恋
いつまでも迷っていそうなあたしに、歩くんはクスッと優しく笑った。
「じゃあ宮下さんは、僕特製カフェオレね?」
「え、あっ、うん!」
……あたし、カフェオレ好きなんだよね。
コーヒーは苦すぎるから、あたしはミルクがたっぷり入ったカフェオレが好きだった。
そんな思ってもみなかった突然の歩くんの提案に。
自然に口元が緩んだ。
歩くんは照れくさそう。
「少々お待ちくださいね」
歩くんは少しわざとらしく言うと、カウンターの中に入って行った。