もうひとりの…

高校時代から、人気のあった真奈美。彼女のまわりには、いつもたくさんの人がいた。それは、男でも女でも関係なかった。常に彼等は彼女の気ままな発言に一喜一憂していた。

私はそんな彼女のことを、まわりがチヤホヤしなければ生きて行くことができない人種なのだろうと思い、遠目で見ていた。

彼女の笑顔は、私にイライラを募らせるばかりだった。

いつでもひとの中心にいた真奈美に、心を許せる友人はいただろうか。

そんなに大きな学校ではなかったため、だいたい誰が誰と仲がよかったかくらいは、解る。しかし、彼女に関しては私には覚えがなかった。