黒蝶‐総長♀×総長♂‐ Ⅱ
「麗桜月夜。
麗桜組若頭けん、次期組長」
「……!?
…、ははっ、すげえ奴が青龍にも入ったもんだ」
「はぁ……」
「俺は鐘田翔也‐ショウヤ‐。
青龍の前総長やってたんだよ」
「……、翼鬼‐ヨクキ‐」
「知ってるんだ、俺の通り名」
「有名だろ」
翼鬼はこの世界では有名だ。
青龍を今の地位、全国No.2にしたのは翼鬼の代。
翼鬼が総長になったばかりの当時はまだ青龍は全国No.6あたりだった。
けれど、翼鬼の代のたったの一代でNo.2まで上り詰めた。
それは翼鬼の実力と、その右翼の辰鬼‐タツキ‐、左翼の卯鬼‐ウキ‐の2人がいてこそ成し得たこと。
当時No.1だった黒蝶とも、たった一度だけだけど抗争したことがあった。
まあ、黒蝶の圧勝だったけど。
「年上に、しかも前総長である俺にタメ口ね」
「………」
「ははっ、おもしれえ奴。
うっし、気に入った!」
「はあ?」
何なの、この人。
突然気に入ったとか、なに?