黒蝶‐総長♀×総長♂‐ Ⅱ








「………っえ」






今、何て言った……?


麗桜、…って。

麗桜組って………。



この人はつっくんの親父さんなんだよね?

つっくんの名字は、〝柊〟だよ?






「れいお、う…組?」


「あれ、月夜から聞いてなかったのか」


「はい……って、あの!
どういうことですか?!
つっくんの名字は柊で……っ」


「……………。
真咲、俺、マズいことしたみたいだ」


「みたいですね。
月ちゃんに殺されますよ?」






ここが麗桜組だと言うなら。

このつっくんの親父さんが麗桜組組長だと言うのなら。



つっくんは…―――――――、






「親父、なに勝手に言ってんの」


「もう言ったのかと思ったんだよ。
……挨拶しといたほうがいいんじゃないか?」


「ちっ」







入ってきたつっくんとまっちゃんは、さっきとは違うスーツを着ていた。


光沢のある高級そうな黒スーツ。

そして、胸ポケットに施された刺繍のがらはまさしく〝ソレ〟である証。



じゃあ、じゃあ、つっくんたちは、…………………、






「僕はね、麗桜組若頭補佐兼次期副組長なんだよ♪」


「俺は、…麗桜組若頭兼次期組長の、麗桜月夜だ」






麗桜組の若頭と、補佐…、だったんだ。






< 36 / 242 >

この作品をシェア

pagetop