黒蝶‐総長♀×総長♂‐ Ⅱ
「………っえ」
今、何て言った……?
麗桜、…って。
麗桜組って………。
この人はつっくんの親父さんなんだよね?
つっくんの名字は、〝柊〟だよ?
「れいお、う…組?」
「あれ、月夜から聞いてなかったのか」
「はい……って、あの!
どういうことですか?!
つっくんの名字は柊で……っ」
「……………。
真咲、俺、マズいことしたみたいだ」
「みたいですね。
月ちゃんに殺されますよ?」
ここが麗桜組だと言うなら。
このつっくんの親父さんが麗桜組組長だと言うのなら。
つっくんは…―――――――、
「親父、なに勝手に言ってんの」
「もう言ったのかと思ったんだよ。
……挨拶しといたほうがいいんじゃないか?」
「ちっ」
入ってきたつっくんとまっちゃんは、さっきとは違うスーツを着ていた。
光沢のある高級そうな黒スーツ。
そして、胸ポケットに施された刺繍のがらはまさしく〝ソレ〟である証。
じゃあ、じゃあ、つっくんたちは、…………………、
「僕はね、麗桜組若頭補佐兼次期副組長なんだよ♪」
「俺は、…麗桜組若頭兼次期組長の、麗桜月夜だ」
麗桜組の若頭と、補佐…、だったんだ。