僕らのアナザーリアリティ

「それでソラン。その姿になった理由は?」


そうでした。結局まだその理由は聞けていないんでした。
えっ?もっとスムーズに話進めろって?それはこっちの勝手...嘘ですごめんなさいだから睨むのやめましょう!?......話を戻します。


『実は俺...』

「「「うんうん!!」」」

『男でも女でもないんです。』

「「「...はい?」」」

『いやあの、どっちでもないって言うかどっちでもあるって言うか...俺は自分の好きなタイミングで好きな性別に変われるんです。』

「へぇ。便利だね!!」


ガクッ


「皆どうかしたの?」

「...どうかしたというか...」

「何か他に言うことあるでしょ!」

『ははっ。』

「む。何さ皆して。」

『まぁまぁ。また話から脱線してしまっていますよ?』

「そうだった!」

『俺に聞きたいことがあるんでしょう?特に柚木は。』

「そうだ。性別を変えられるのは分かったけど、何で俺たちの前に現れるときは女の子の姿だったんだ?」

『女のほうが身体が小さい分あまり能力を使わずに向こうへ行けるんですよ。』

「じゃあ何で今は男の姿になったんだ?」

『歩も鋭いですね。一度に何人も飛ばすには、能力の解放の関係でこの姿のほうが都合がいいんですよ。』

「ふぅ~ん。」

『じゃあ、次はこの世界のことを説明しますね。』
「ちょっと待って。」

『梨斗。どうかしましたか?』

「あのさ、何で姿が違うだけなのに口調まで違うの?」

『あぁそれですか。』

「それ、俺も気になってた。」

「私も!」


柚木が素を出してしまうくらいには皆さん気になっていたようです。


『それは...』

「「「それは?」」」

『俺の趣味です(ニコ)』

「「「えっ?」」」

『なんていうか、俺が個人的にこの見た目に似合う口調にしたくて。ちなみにこの姿でこの口調にしたコンセプト...というよりもテーマは“爽やか紳士なちょっと腹黒”です。(キリッ)』

「「「......。」」」


ソランのぶっとんだ発言に、誰ひとりツッコむことはできなかった。


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