Plastic.
「話聞いてくれてありがと。


ここでいいよ」


家の近くまで来たところで、話をたたもうとする。


ずっと、相槌だけ打っていた謙吾が、


ここでやっと口を開いた。


「あゆ、24と25さ、どっか行かないか?」


「え?」


思い掛けない申し出に、動揺する。


そして、動揺が思い切り顔に出たみたい。


「や、別に深い意味ないけど、あゆが予定ないならさ。


どこ行ってもカップルばっかだし、


俺一人だし寂しいからさー」


そう謙吾が言ってくれたから、


一瞬跳ねた心臓が、落ち着く。


「うん。予定は無いからいいよ」







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