センセイと内緒。

…ピーンポーン


「ん？誰か来たみたいだ。」

「うん、そうだね。」

「オレが出てくるから、ちょっと待っててな。」


お兄ちゃんはそう言って、私の部屋を出て行った。

誰が来たんだろう…？

遠くからドアを開ける音と、どちら様？というお兄ちゃんの声がかすかに聞こえた。
私はドアに耳をあてた。


「あぁ、初めまして。
橋立光さん…いますか？」


え…私？

すごくトーンが低い、今話題の向○理さんのような声の人だった。


「あぁ、わかりました。
おーい光！客だぞ!!」

「は、はぁい！」


私は慌てて部屋を出て、階段を下りた。

目が合ったその人は、スラッとしていて背が高くて、綺麗な黒髪をした人だった。


「あ、光。オレ飯作ってくるわ。」

「へ!?あ、うん！」


な、なんでお兄ちゃん行っちゃうのぉ～!!

なんだか今までにない、ドキドキが私の胸をざわつかせる。


「初めまして、橋立光さん。」


印象のある声で呼ばれた私の名前。


これがセンセイとの出会いでした……