たからもの



事業が終わって,お昼休みは朝陽と夕陽はお弁当を食べていた。

「朝,夕陽が言ってた『たからもの』ってさ-,あのサイズに入るんだから凄いちっちゃいんだよね!!!」

「さあ、どうだろう。大きさは分かんない!!何?そんなに見たいの??まあいずれか分かるってば!じゃあ,朝陽の『たからもの』は何??」

今まで考えた事もなかった。たからものって何だろう。

「ん-。たくさんありすぎて分かんないや!!あえて言えばこの前買ってもらったi podかな-っ。」

夕陽はただニコニコ笑って「そう。」とだけ返事をした。




「夕陽は好きな人いないの??」

「え!!いないよ!!」

戸惑っている夕陽も可愛い。

「そっか...。バレンタイン,小川くんモテるからいっぱい貰うよね...。あたしのチョコ食べてくれないかも。」

「そんなことないよ-!!(確かにモテるけど)絶対食べてくれるって!!あ,そうだ!!告っちゃえ!きっとOKもらえるよ!!」








乙女な話が盛り上がってきた時後ろには小川くんがいたことに気づいた。

「なんだなんだ!!俺の話か-??」

声に反応して朝陽が振り向く。


「小川くん!!いつからココに?!」

「バレンタインの話の初めから全部聞かせてもらった-。お前のチョコ楽しみにしてるぜ!!作ってこないのはナシだから!!」

ヤバい。聞かれてしまった。けど,嬉しい。朝陽の頭の中は今の小川くんの声がエコーでずっと流れていた。

「頑張ってつくるぞ-!!こうなったら告ろうかなっ♪」

あまりにも単純な朝陽を見て夕陽は爆笑していた。



「『朝陽,小川くんにアタック作戦』なんて作ったらどう??」

「何それ-??別にいいけど,名前がベタすぎない??」

「いいの!!じゃあ明日から残り2週間,作戦実行しましょ-。とりあえず今日は作戦会議ね♪」

二人は家庭科室へ向かった。悩みを相談したり何かについて愚痴ったりする時は決まってここへ来る。

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