ハルアトスの姫君―君の始まり―
最奥の魔女
「…っ…。」


風が消えた。
ゆっくりと足が地面につく。


トン、と冷たい白が視界に飛び込んでくる。



「こ…ここ…っ…。」


震える身体をなんとか抑えて声を出す。
視界の白が、あまりにも汚れのない白で逆に悪寒が走る。















「…ようこそ、我が城へ。」




背後に気配なんて全く感じなかったのに、その妖艶な声は確実に背後からのものだった。

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