ハルアトスの姫君―君の始まり―
「なんでしょうか?」
「ジアとルナを混同するな。」
「そんなことまでご存知でしたか。」
「お前の情報は噂にされやすい。境遇が境遇だけにな。全てが事実かどうかは分からん。
だがな、お前が『ルナ』に囚われていることは分かる。
ルナとジアは違う。ジアは…自分の手で自分を守ること、そしてヒトを守ることができる。いつか、お前を守る日が来るかもしれん。」
「そんな不甲斐ないことをされるのは御免です。」
「…そうだな。今のお前ならばそう言うだろうと思っていた。
それではキース。一つだけ、とても大切なことを教えよう。」
「はい。」
「女が守られていればいい時代はもう終わった。
いや…そんなものはなかったのだ。男一人の手でそんなに多く守れると思うか?」
「…思いません。」
「ヒトも魔法使いも関係ない。守れるものなどほんの僅かだ。
それを忘れてはならない。」
「…はい。」
その返事を聞いたシュリはドアに手をかざした。
がちゃんという音がして、ドアはゆっくりと開く。
「…シュリ様…?」
「行くがよい。ただし、お前が手を出すとジアが悲しむということを決して忘れるな。」
「はい。」
キースは走り出した。
ただ、レスソルジャーの気配がする方へと。
「…自らの死は恐れぬのに、自分以外の死は異常なほどに恐れる。
そこがお前の強さであり弱さだ、キース。」
誰にも聞こえぬ魔女の呟きだった。
「ジアとルナを混同するな。」
「そんなことまでご存知でしたか。」
「お前の情報は噂にされやすい。境遇が境遇だけにな。全てが事実かどうかは分からん。
だがな、お前が『ルナ』に囚われていることは分かる。
ルナとジアは違う。ジアは…自分の手で自分を守ること、そしてヒトを守ることができる。いつか、お前を守る日が来るかもしれん。」
「そんな不甲斐ないことをされるのは御免です。」
「…そうだな。今のお前ならばそう言うだろうと思っていた。
それではキース。一つだけ、とても大切なことを教えよう。」
「はい。」
「女が守られていればいい時代はもう終わった。
いや…そんなものはなかったのだ。男一人の手でそんなに多く守れると思うか?」
「…思いません。」
「ヒトも魔法使いも関係ない。守れるものなどほんの僅かだ。
それを忘れてはならない。」
「…はい。」
その返事を聞いたシュリはドアに手をかざした。
がちゃんという音がして、ドアはゆっくりと開く。
「…シュリ様…?」
「行くがよい。ただし、お前が手を出すとジアが悲しむということを決して忘れるな。」
「はい。」
キースは走り出した。
ただ、レスソルジャーの気配がする方へと。
「…自らの死は恐れぬのに、自分以外の死は異常なほどに恐れる。
そこがお前の強さであり弱さだ、キース。」
誰にも聞こえぬ魔女の呟きだった。