致死量カカオ



恋に溺れる姿を、第三者から見るのはなんて滑稽なんだろう。

だけど、それが一応、元、彼氏となると複雑だったりもする。



「まっさかここまで彼女、豊海ちゃんにはまると思わなかったわよねぇ」


窓から見える、とあるカップルを見つめながら、私は呟いた。


「あー高城君?」


私と同じクラスの友人が、私の視線を探すかのように窓を見てから苦笑を漏らした。多分、誰が見ても同じような反応を示すでしょうね。


豊海ちゃんと高城が付き合いだして2週間。ちなみに私のカウントは、二人がなんだかんだともめて、収まってからのカウント。実際に付き合ってる期間は3週間くらい?


今はお昼休み時間。


窓の外の、知っている私から見ると変なカップルは、一見仲良さそうに二人でお弁当を食べている。

……一見、ね。


実際どんな会話が繰り広げられているのかと想像すると苦笑が漏れるけれど、多分実際は私の想像なんか遥かに超えたことになっているんでしょう。


変な二人。
微笑ましく想う気持ちもあるんだけどさー。


若干、複雑だったりするわけで。

あの、高城が、あんなふうに、彼女を大事に?するなんて。


私と付き合った時も、他の女の子と付き合った時も、あんな風に休み時間に一緒に過ごすなんてなかった癖に。
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