2222―SF(すっとぼけフィクション)―
◇◇◇◇◇


自動ドアの開く音がして、

外と空気の感じが変わる。

いらっしゃいませという声が聞こえた。

スーパーに入ったんだな。

ざわめく感じがちょっと大きくなる。

頭に包帯を巻いているオレについて、

様々な感想をお持ちの方がいらっしゃるということなんだろう。



[なにがたべたい?]



ユキが聞いてきた。

カレーがくいたいっていうとビンタされた。



無慈悲だ。



オレの栄養をキープするには今日は魚じゃないとダメらしい。


わかっている。



オレの意見などほとんど通らないことを。



いってみただけだ。


いちおう、
約束上こういうときはお互いを尊重することになっているが、

生活のほとんどはユキに支配されているのだ。


目が見えるのがユキだから、

オレは頼るしかないんだけど。


しかし突然のビンタはあんまりではないかと思う。

今日の仕事のストレスが溜まっているのか。

それはオレも同じだ。

少しは考えてほしい。




「ポイントで会計できますか?」
「あ、…はい」



オレの出番はほぼこれだけだった。

あとは荷物とか持たされる。

まあ仕方がない。

目が見えるユキに比べて、

オレはできることが極端に少ない。



それでも、
悪くない暮らしをしている。


そう思う。


それが……
許されることなのかどうかは、


わからないけど。
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