2222―SF(すっとぼけフィクション)―
◇◇◇◇◇


じゅ~
キッチンからおいしそうな音が聞こえてくる。

いい匂いもしてくる。


そうすると、
不思議といつも気分が落ち着く。


それからだいたい、
オレにそんな資格がないことを思い出す。


でも、
ずっとこうしていたい。


できるなら。


こんなふうにして一生を過ごせたら、

きっと幸せなんだろう。


あたりまえのくらし。



ユキと籍を入れたのは半年とちょっと前。

ユキをこの国に入れるためだった。


治安が悪化した中国を離れて、

安全な場所へ行くために。


オレはいちおう、

日本国籍をとる資格があったがユキはもともと日本人じゃない。


できればオーストラリア、


ニュージーランドあたりにいきたかったけど、


入国制限が厳しいから諦めた。

国籍をとるどころか、

上陸することさえ難しい。


もちろん、
結婚の意味はしっている。

それでも、
婚姻届を提出する時に躊躇はなかった。


感情の問題すら別にして、

ユキと死ぬまで一緒にいるだろうと思っていたから。


病めるときも、
健やかなる時も、
たぶん死がオレたちをわかつまで。


二人じゃなく一人として生きようとしているオレたちを。
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