2222―SF(すっとぼけフィクション)―
○○○○○


あたしたちは、
この数年間、
ずっとふたりで一緒にいたけど、


絶対に、
少なくともあたしは、


ワタルのことを愛情とかの対象には、しないようにしてた。



そんなふうに思いたくなるときも、


なかったわけじゃない。


この人はミイラ男みたいだけど、

やさしいとこもある…

ううん、やさしい。


でもそうしたら、目的が果たせなくなる。


目の見えないワタルをおいて死んでいくことが。


死を願ってるワタルをおいて、この世から去っていくことが。


それもあって、
あたしはワタルを信じないことにしてる。


決して疑うことはなくても。



そう誓った。
二人で約束した。



でも、
そのあと、
ほんとうに、


人を好きになるなんて思わなかった。


こんなに、
そばにいたくなるなんて。


真咲さんはあたしのために、

こんな危険なところに乗り込んできてくれた――




しばらく、
あたしはどうしていいかわからなかった。




ワタルに頼んで、

真咲さんに、
あたしのことはいいからって、

伝えてもらいたかった。


でもそんなことをしたら?

ワタルに気づかれてしまうかもしれない。



あたしが真咲さんを想ってること……


いや、
もう気づかれてるのかな。



ごめん、
裏切ってたよ。



うちら死ぬまで
誰も信じることさえしないで、

生きてくって約束してたのにね。

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