2222―SF(すっとぼけフィクション)―
◇◇◇◇◇


しばらく、
動きようがなかったオレに、背中におぶさっているユキが言葉を伝えてきた。


[ごめん、ワタル。
逃げられない。


あたし、
すきなひとがいてね、
そのひと、
あたしたちを助けようとして、つかまっちゃった。


ごめん、
ごめんね。
ずっといわなきゃいけないって思ってた。

けど、いえなかった]



そういうことなら、いい。

そんな人がいるなら、気にしないでいってくれてもよかったのに。


このまま、
こんな暮らしをしていくよりは、ずっといいはずだ。


ユキの声を戻すために生きてきたオレたち。

でも、
声が戻らなくても、

きっとユキはこれで幸せに生きれる。


ユキが幸せにいきること。


それが最後までユキを想って死んでいった親友への、せめてもの罪滅ぼしになればいい。


心の中で、
ずっと思っていた。


もしも、
こんな時がきたらそうしようって。



だから。
ユキにつたえる。



[わかった。大丈夫。
オレがかわりに行くよ。いままで、ありがとう。しあわせに、なってくれよ]


< 39 / 61 >

この作品をシェア

pagetop