2222―SF(すっとぼけフィクション)―
◇◇◇◇◇


どうせ、生きる資格のない命だ。


オレは車の中で、そう思っていた。


「この任務に、教団の関係者をお招きしたのははじめてです」


ふいに、女の声がした。


知っているのか、
と思った。

「今は違う」

なぜ女が教団という言葉を口にできたのかはわからなかった。


包帯のせいかもしれないとも思う。

オレの頭に巻かれている包帯は特殊なものだ。

いまはもう、ほぼ皮膚と同化している。

外科手術でも外すのは困難だろう。

この包帯を巻くことができるのは、

おそらくオレが昔いた教団関連の施設以外にない。


「申し送れました。私、今回のサポートをさせて頂きます皆川といいます。どうぞよろしくお願いします」

「よろしく」


どうしようもなく乾いた声しか出なかった。


死の恐怖は感じていない。


どうしようもない悲しさと、


寂しさを感じないようにするために、


心を食いしばるだけで精一杯だから。



何も考えないように、
想像力を封じ込めて。



ユキとの暮らし、楽しかった。


それが失われる事を本当に理解してしまったら、

きっと狂いながら壊れていってしまう。


ただひたすらに、

これでよかったんだ、

そう思い込もうとするだけ。


心に残る親友の影に謝りながら、

ユキの幸せを祈りながら。


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