2222―SF(すっとぼけフィクション)―
◇◇◇◇◇
オレは裕福な家の生まれ。
幼い頃、
何一つ不自由はなかった。
そして、
父さんにだって殴られたことがなかった。
なぜなら、
すべての拳を受け流すことができたからだ。
眼鏡をかけたサラリーマンの拳など、児戯に等しい。
素晴らしき格闘センスを、誇っていたのだ。
しかし、
教団に入ってから、
オレが井の中の蛙だったっていうことを思い知らせた女がいた。
それがこいつ――皆川スミレだ。
すっかり忘れていた。
教団に入る前、
オレは裕福な生活に溺れ、
ダイエットを怠り、
体重は7歳にして80キロ近くあった。
運動神経は最高だったんだけど。
教団の施設内では、集団生活を強いられる。
そのとき施設に入れられていたのは、12歳以下の子供達のみ。
その全員が花組とか雪組とかそんなのにわけられて、
毎日が修学旅行みたいな感じで暮らすことになる。
そしてスミレは、オレの班の監督係だった。
当時10歳。
とほうもなく暴力と血の中に生きてきた女だった。
そしてオレは、
ヤツと一緒の班になった日の夕方にはもう、
メタボという名がつけられボコボコにされていた。
同じ班のほかのヤツラも同じ洗礼をうけたという。
その頃のスミレはドSだったのだ。
そのときに初めて、
他人の軍門に下るという屈辱を覚えた。
おかげでオレは、その後二次元の女にはまることになる。
現実の女を恐れることしかできず…
「お前まさかスミレか?」
「そう。再会の挨拶が送れたけど、久しぶり。
上司の前だと、なんか話しにくくってさ。
でも、まさか生きてて、日本に戻ってきてたなんてね。
国民名簿からいろいろ調べてあんただって確信したとき、うれしかったわ。
あの事故でみんなやられちゃったと思ってたから」
オレは裕福な家の生まれ。
幼い頃、
何一つ不自由はなかった。
そして、
父さんにだって殴られたことがなかった。
なぜなら、
すべての拳を受け流すことができたからだ。
眼鏡をかけたサラリーマンの拳など、児戯に等しい。
素晴らしき格闘センスを、誇っていたのだ。
しかし、
教団に入ってから、
オレが井の中の蛙だったっていうことを思い知らせた女がいた。
それがこいつ――皆川スミレだ。
すっかり忘れていた。
教団に入る前、
オレは裕福な生活に溺れ、
ダイエットを怠り、
体重は7歳にして80キロ近くあった。
運動神経は最高だったんだけど。
教団の施設内では、集団生活を強いられる。
そのとき施設に入れられていたのは、12歳以下の子供達のみ。
その全員が花組とか雪組とかそんなのにわけられて、
毎日が修学旅行みたいな感じで暮らすことになる。
そしてスミレは、オレの班の監督係だった。
当時10歳。
とほうもなく暴力と血の中に生きてきた女だった。
そしてオレは、
ヤツと一緒の班になった日の夕方にはもう、
メタボという名がつけられボコボコにされていた。
同じ班のほかのヤツラも同じ洗礼をうけたという。
その頃のスミレはドSだったのだ。
そのときに初めて、
他人の軍門に下るという屈辱を覚えた。
おかげでオレは、その後二次元の女にはまることになる。
現実の女を恐れることしかできず…
「お前まさかスミレか?」
「そう。再会の挨拶が送れたけど、久しぶり。
上司の前だと、なんか話しにくくってさ。
でも、まさか生きてて、日本に戻ってきてたなんてね。
国民名簿からいろいろ調べてあんただって確信したとき、うれしかったわ。
あの事故でみんなやられちゃったと思ってたから」