2222―SF(すっとぼけフィクション)―
◇◇◇◇◇


注射をされたのは10歳の時だ。


それから、オレの身体能力は急激に上昇した。


アニメ好きは変わらなかったが、それと平行して強さを追い求めるようになった。


オラ……いや、オレより強えヤツと闘いてえ。そんな思いが日に日に強くなっていった。


紅い雨に侵されたヤツラを、何人も殺した。


それが正しい事だって、教え込まれてたからだ。教団の精神にのっとった、正義の名の下に。


だから、
短すぎる寿命を与えられたことは、きっと正しい神様の罰だったんだと思う。


個体差はあるけれど、あの注射を受けた者は、成長が止まった後、ほどなくして命が尽きる。


教団内では、12歳を境にグループが分けられて隔離され、同じ年のグループ以外と接触することが不可能になるから、オレたちは時がくるまで、そのことを誰一人知らなかった。


でも、
生き延びる方法がないわけじゃなかった。


だからオレは、この包帯をまくはめになったんだ。


あの地獄みたいな教団の中で出会った、


たったひとり天使だと思ったひとのそばで、


せめて生きていけるならって思って。


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