2222―SF(すっとぼけフィクション)―
◇◇◇◇◇


「ね、メタボ、あんた本当は知ってるんじゃないの?」

メタボっていうな。

「なにを?」

「絡んでたんじゃないの?あの事故に…ユキさんの兵士だったんでしょ?あたしも、鉄仮面兵についてはあんまりよく知らないんだけどさ」


「違うひとだよ、それは。事故が起こるまで、オレはユキと会ったことがなかったし。まあ、多分なかったと思うけど、もし建物の中とかですれ違ってたとしても、全然わからないし。正式に鉄仮面兵になってたわけでもないんだ。というか、なんだよ。ユキがなんか…絡んでるのか?あのときのことに」


ユキに、出会う前の事を詳しくはきいていない。


オレたちはあの時に、
過去を捨てたから。


だからそれまでのことは、おたがいに詮索しあわないで、今日までやってきた。


ただ知ってるのは、ユキは声を戻すために生きている。


そしてそれが、きっとおそらく、ユキの命の終わりにもなるんじゃないかっていうこと。


あの注射をうたれた者の定めとして。声がでなくなったから、ユキは生きていられるんじゃないかって思う。


オレが目をなくして生き延びたように。


「本当に知らないの?ま、いまさら知ってもだし、いいけどね。どうせあたしも、きっとあと数日の命よ」


「そ、そうなのか!お前寿命が…いやでも、寿命の問題はクリアしてるんだろ?」

「ううん。それは関係ないの。あたし達の歳のグループまでは、方式が違ったのよ。だから、そのへんコントロールできんだ」


「え?」


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