2222―SF(すっとぼけフィクション)―
◇◇◇◇◇


「マジかよ」


今や日本と呼ぶことができる場所は、かつて関東と呼ばれていた中の一部だけだ。その他は、暴れだした植物達や紅い雨に侵された人間達にすべて支配され、森に変えられてしまっている。かつては全国各地に作り上げられたシェルターも次々に破壊されてしまった。

スミレの話どおりなら、今この国で人が住めるのは、オレがいる新宿のサブナードシェルターだけ。


「避難勧告とかはださないのか?」


「出してどうするって言うの?どこへ逃げれるの?オーストラリアもニュージーランドも、インドネシアだって受け入れを拒否するでしょ」


「なんでだよ?いくらなんでもこんな事態だぞ?」


「知ってるでしょ?あのへんはまだ、森の影響がほとんど出てないのよ。インドネシアの一部にはもう出ちゃってるみたいだけど。だから花粉の影響を最小限に抑えるために、外部と全く接触をとってないって。日本に送ってもらってる援助物資だって、直接手渡ししてるわけじゃない。海に浮かべてもらったものを、教団の船にとってきてもらってんのよ。科学技術を提供する代償としてね」


「どうしても安全に生き延びたかったら、教団に入るしかない、か。最悪だな」


「教団に戻るくらいなら、死んだほうがいいわ。みんなそういうでしょうね。ヴァレッセルに住むことになるくらいなら、死んだほうがいいって。命には代えられないっていってた人たちは、みんな移っていっちゃったし」


「こんなことなら、あのまま中国に残ってたほうがマシだったか」


「そうかもね。そうとう危ないって聞いてるけど」


「まともな人間に殺されるか、精神をやられた人間に殺されるかの違いだけどな。いや、オレの場合は違うか」


そのとき、警報が響いた。


紅い雨の影響を受けた植物が、動き出したらしい。


ついにきやがったか。


「じゃ、いくわよ。メタボ。先に地獄で待ってて。きっとあたしも、すぐにいくわ」


送られてもすげえ嬉しくない言葉をもらった。


しっかし、
最後までメタボていわれんのか。


てか、
地獄に堕ちるって決めつけんなよ。


まあ否定はできないけど。

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