2222―SF(すっとぼけフィクション)―
◇◇◇◇◇


「肩につけたカメラで状況がわかるから、あたしの指示通りに動いて。薬はポケットの中に入れたから、合図したら口に入れて、すぐ噛み砕いて。体内に入れたらすぐ死んじゃうと思うから、絶対に植物に捕まるまで飲み込んだりしないでね」


「ああ、わかった」


「ねえ、一応聞くけど、普通に戦って、勝つ自信はある?もしできるなら、そうしてくれても構わない。あたしには無理だけど、もしかしてメタボだったらって思うの。ほとんど効果は期待できないけど、いちおうマシンガンとか持ってきてるし。できそうだったら、どのくらい詳しくいえるかわかんないけど、敵の位置とか情報伝えるからさ。今のあんた、きっとあたしよりも強くなってる」


考えたが、多分無理だと思った。確かに、教団にいた時に訓練は受けたし、実際何匹かの植物も駆除した。けどそれは単独での作戦ではなかったし、さらに今は目が見えない。もしユキがいれば可能だったかもしれないが、スミレの指示を耳できくだけではできそうにない。


「いや、無理だよ、それは。それにオレより強いってなんだよ、さっきのお前の蹴りだってかなりのもんだったぜ」


「メタボが油断してたからよ。普通の人だったら、あの一撃で気を失って内臓やられてたって不思議じゃないくらいの力を使ってたんだから。連続であの威力は出せない。まさかあれで動けるなんて、驚きだったわよ」


言いながら、スミレは何かのスイッチを押したようだ。エレベーターが開く時のような音がする。


「こっから、エレベーターで地上に出るから。上は寒いからウインドブレーカー着てって」


スミレに渡されたウインドブレーカーを着たあと、手を引かれて歩かされた。その少し後で、下から力を感じた。エレベーターが上昇してるのがわかる。


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