2222―SF(すっとぼけフィクション)―
◇◇◇◇◇
ゴゴン、
と音がして、エレベーターが停まった。
刺さるように冷たい空気が周りに充満していく。
今は冬。
「雪が、降ってるわ」
スミレの声がした。手を引かれて歩くうちに、それを体で確かめることになる。包帯越しの顔に、触れては消える、冷たく舞い散るはかないもの。
そして、ものすごく濃い血のにおいがしてきた。どこかで何かが崩れていく音がきこえてくる。もうすでに暴れてるってことか。きっと地獄に連れてこられたんだ、オレは。
「ねえ、」
ぎゅっと強く、スミレに手を握り締められる。突然に。
「死ぬの怖くない?」
「………………」
黙っていた。言葉の意味よりもその声と、震える手がオレの心を動揺させる。死ぬってことが、リアリティを増す。
「怖いよ、あたしは。覚悟決めたつもりだったんだけどな。あのさ、ユキさんを任命した本当の理由はね、教団がでてくんじゃないかって思ったからなんだ」
「え?教団が?」
「ユキさんが何か握ってて、教団にとってユキさんが亡くなることが不都合な事で、ココに現れざるを得ないかなって思ったんだけど……程度の低い策略か。でも、それしか思い浮かばなかった。あんな場面見せられたから、連れてこれなかったけどね」
「それで、一緒に今川崎を襲ってる連中もなんとかさせようって思ったのか。だったら、最初から教団に援助を要請すればよかったんじゃねえか」
「だめよ。そんなことをしたら、まちがいなく、引き換えにこの国を属国にすることを要求してくる。そうなったら教団に占領されたも同然よ。今でさえ相当立場が悪いのに。だから、事を荒立てずに教団があいつらを駆除するように仕向けるには、何も知らないふりをしてあなたたちをココに連れてくるしかないって考えたの」
「なるほどな。教団に入るときに、この国でのオレの記録は抹消されてるし、戻ってくる時も名前すら書かれてないカード一枚で済んだもんな」
ゴゴン、
と音がして、エレベーターが停まった。
刺さるように冷たい空気が周りに充満していく。
今は冬。
「雪が、降ってるわ」
スミレの声がした。手を引かれて歩くうちに、それを体で確かめることになる。包帯越しの顔に、触れては消える、冷たく舞い散るはかないもの。
そして、ものすごく濃い血のにおいがしてきた。どこかで何かが崩れていく音がきこえてくる。もうすでに暴れてるってことか。きっと地獄に連れてこられたんだ、オレは。
「ねえ、」
ぎゅっと強く、スミレに手を握り締められる。突然に。
「死ぬの怖くない?」
「………………」
黙っていた。言葉の意味よりもその声と、震える手がオレの心を動揺させる。死ぬってことが、リアリティを増す。
「怖いよ、あたしは。覚悟決めたつもりだったんだけどな。あのさ、ユキさんを任命した本当の理由はね、教団がでてくんじゃないかって思ったからなんだ」
「え?教団が?」
「ユキさんが何か握ってて、教団にとってユキさんが亡くなることが不都合な事で、ココに現れざるを得ないかなって思ったんだけど……程度の低い策略か。でも、それしか思い浮かばなかった。あんな場面見せられたから、連れてこれなかったけどね」
「それで、一緒に今川崎を襲ってる連中もなんとかさせようって思ったのか。だったら、最初から教団に援助を要請すればよかったんじゃねえか」
「だめよ。そんなことをしたら、まちがいなく、引き換えにこの国を属国にすることを要求してくる。そうなったら教団に占領されたも同然よ。今でさえ相当立場が悪いのに。だから、事を荒立てずに教団があいつらを駆除するように仕向けるには、何も知らないふりをしてあなたたちをココに連れてくるしかないって考えたの」
「なるほどな。教団に入るときに、この国でのオレの記録は抹消されてるし、戻ってくる時も名前すら書かれてないカード一枚で済んだもんな」