2222―SF(すっとぼけフィクション)―
◇◇◇◇◇



考えないようにしてたのに。


ひとりになったときに、


ユキの感触が思い出されてとまらない。


ずいぶん時間が経ったけど、スミレからの指示はこない。その間に、ユキと過ごした時の事がどんどんあふれでてきて、胸を破裂させるくらいにふくらんでいく。




あれから、ずっと一緒だった。


ふたりでひとりでいるとかいってたくせに、


意見があわなくて、


しかもつまんないことでけんかしたりして、


あやまったときも、


あやまられなかったときも、


あやまんなかったときも、


ずっといっしょにいて、


めんどくさかったけど、


ひとりじゃなかった。



だんだん、
ユキのことがわかるようになって、


心が通じ合うようになっていった。


どんな顔をしてるのかわからないけど、


いいかげんでガサツでてきとうだけど、


ほんとうはやさしくてあったかくて、


もしかしたら、
好きになってるのかもしれないって思ったこともあって、


もし、
誰にも、
ユキにも心をよせたりしないっていう約束なんてなかったら、


裏切った親友のことを考えないでもよかったのなら……





「メタボ、メタボ聴こえる?遅くなってごめん、返事して!そっちにいったわ!」


耳から入る信号が、脳に届いてない。頭の中も胸の中も寂しさでいっぱいで。


たくもう、
もう強がってらんねえ。


不気味な音が、迫ってきてるのは聞こえてるんだけど。


力が、ぜんぜんはいんねえよ。


体がもう、動かない――


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