黒騎士-ブラックナイト-

「リィナは無事か!?」

「えぇ!まだ呼吸はあります!」

レイドはすぐさまリィナの元へ駆け寄った。

「リィナ、もう大丈夫だからな。」

手を握った。

「フィル!どうしたのだ!?その腕は……!」

ヴァィは驚きのあまり、つい声を張り上げた。

「気にするな。それより、この人が言うてた魔術師だ。」

アクリスはゆっくりと部屋に入ってきた。

軽く頭を下げてから、リィナの様態を伺った。

「確かに、毒ともうされたのですね?」

「あぁ。」

「では、治療を始めますわ。レイド様、お下がりください。」

言われるまま、リィナの手を放し、一歩退いた。

「解毒魔法をかけますわ。」

ポゥ…

アクリスはリィナの体の上に両手をかざし、光を放った。

その光は、やがて彼女の体を包んだ。

「この体に侵入し、生命を脅かす闇よ。すぐさま肉体から滅しよ……!」

カッッ!!!

ビュンッッッ!!!

リィナの体を包んだ光が力強く輝き、風となってまた、体を包んだ。

「これで……これでやっと……。」

レイドは言葉を溢した。

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