黒騎士-ブラックナイト-

「まあな。楽しみはこれからだ。」

2人は空へ駆けていった。



城に着いたリィナはさっそく城を走り回っていた。

「フゥリ!クゥリ!早く早く!」

「お待ちください!」

「姫様は足が早くて困りますわ!」

クゥリとは、フゥリの双子の妹で、城に遣える者だった。

「2人とも遅〜い!」

鬼ごっこをしているのだが、リィナは絶対に鬼にはならず、2人から逃げる。

「フゥリ、私お食事の支度が……」

「もうそんな時間か?わかった、後は任せろ。」

クゥリは鬼ごっこを辞め、食事の準備にかかった。

正午まであと1時間あまり。



「―……というわけだ。この作戦通りでいく。しっかり頭には入れたか?」

「あぁ。ばっちりだ。」

城から離れたリヴェンの女神像の頭の上で、レイドたちは作戦の確認をしていた。

彼らが見つめる先にはルーゼンの城。

「よし、正午になった。ジェネル、ガゼット、バリック!城下町を焼き払え!!」

「おう!!」

ビュンッ!!

バリックたちは飛び立った。



「ママ?アレは何?」

城下町で、幼い男の子が空を指差した。

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