黒騎士-ブラックナイト-
「まあな。楽しみはこれからだ。」
2人は空へ駆けていった。
†
城に着いたリィナはさっそく城を走り回っていた。
「フゥリ!クゥリ!早く早く!」
「お待ちください!」
「姫様は足が早くて困りますわ!」
クゥリとは、フゥリの双子の妹で、城に遣える者だった。
「2人とも遅〜い!」
鬼ごっこをしているのだが、リィナは絶対に鬼にはならず、2人から逃げる。
「フゥリ、私お食事の支度が……」
「もうそんな時間か?わかった、後は任せろ。」
クゥリは鬼ごっこを辞め、食事の準備にかかった。
正午まであと1時間あまり。
†
「―……というわけだ。この作戦通りでいく。しっかり頭には入れたか?」
「あぁ。ばっちりだ。」
城から離れたリヴェンの女神像の頭の上で、レイドたちは作戦の確認をしていた。
彼らが見つめる先にはルーゼンの城。
「よし、正午になった。ジェネル、ガゼット、バリック!城下町を焼き払え!!」
「おう!!」
ビュンッ!!
バリックたちは飛び立った。
†
「ママ?アレは何?」
城下町で、幼い男の子が空を指差した。