大嫌いで、大好きな君





席替から1週間たった。
あたしははやく席替がしたくてたまらない。
だって、前を向けば…
嫌でも目に入る、2人の仲良さそうな光景。
どうしてだろ?
あれからレイタとはまったく喋れずにいた。
そんな日々はものすごく長く感じた。
いままで、あんなに楽しかったのに…。
レイタがいない日々はこんなにもつまらない。



そんなときでもミユはあたしを励ましてくれた。
ミユとか友達といるときはレイタのことを少しでも忘れられた。
でも、やっぱりミユと喋っていても、
視界に写るレイタを目で見てしまっていた。
でも、見えるのはアヤちゃんと喋っている姿。
なんであんなに仲良いの?
なんでそんなに笑いあってるの?
レイタ…、少しでもいい。
その笑顔をあたしにも向けて…。
ねぇ、レイタ…?




どんなに心の中で叫んでも、
どんなに泣いても
どんなに悔やんでも


あたしの心があなたに伝わることはない。
わかっているけど
悲しみは収まらなくて、
嫉妬する気持ちは抑えられなくて。



どうがんばってもあたしがあの仔になれるわけなくて
何回も思った、
あの仔に…アヤちゃんになれたらな…。
どんなにいいだろう…、
どんなに幸せだろう…。



そう思っても、
今のあたしには悔やむことしかできない。
なんでこんなに辛いの?
なんでこんなに苦しいの?
ねぇ、どうして?
誰か教えて。
誰か助けて、
苦しいよ、胸が痛いよ…。ねぇ…レイタ…。
< 31 / 98 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop